放射能測定の対象物質
原子力発電では燃料として放射性物質を使用する。代表的なものはウラン235やプルトニウム239を含んだ
物質ある。福島第一原発では主に二酸化ウランを燃料として使用していたが、3号機では一部二酸化プルトニウ
ムを混合したMOX燃料を使用していた。二酸化ウランは融点が2800度以上であり高温でも安定している。また
製造コストが低く、加工が容易であるため、金属ウランに変わって燃料として用いられるようになってきた。
放射性ウラン235が核分裂するとセシウム137やヨウ素131が生まれるが、実は他にも多数の放射性物質
が生成される。報道ではセシウムが注目されているようだが、それは半減期が長く、単位量当たりの発生割合が
高いからである。セシウムにはセシウム137(半減期30年)の他にセシウム135(同230万年)があり、
全体の12%以上を占める。比較的よく耳にする放射性ヨウ素は全体の26%も発生するがヨウ素131の半減
期は同8日、他のヨウ素133~136半減期は83秒余りから20時間程度と比較的短いのだ。
ヨウ素と同程度の比較的短期間の半減期の放射性物質は多数あり、全体の50%以上を占める。具体的にはセリ
ウム141・143・144(半減期33時間~285日/全体の17%余り)、ネオジム147(同10日/
2%余り)、バリウム139・140(同83日・13日/13%弱)、テルル132・キセノン133(同2
04日・243日/11%)、モリブデン99(65時間/6%余)、ルテニウム(40日/3%)が主なところ
である。
逆にあまり耳にしないが半減期が長いものもある。ストロンチウム90は半減期が29年とセシウム137とほぼ
同程度で発生割合も6%弱と比較的高い。ジルコニウム93は半減期がなんと153万年/発生割合7%である。
ルビジウム87(半減期475億年/発生割合2.56%)やサマリウム147(半減期1060億年/2.25%)
に至っては地球の歴史どころか宇宙の歴史よりも長くもはや人間の手に終えるものではない。
ばらまかれたものを完全に消し去ることができない以上、
いたずらに怯えるだけではなく、適切に隔離し、冷静に共存していくことが求められる。